金属3D造形について
金属3Dプリンターを用いてさまざまな造形が可能になっています。ここではそれでできる金属3D造形とは一体どういうものなのか、そして活用事例はどういう所にあるのかについて紹介いたします。
造形が難しかったものを可能
今までは金属造形はいずれも機械を用いつつも、物理的な切削や金型に流し込んで、などの工程を踏んで行われています。それゆえに中には不可能な造形もあり、特に複雑で細かいものは今までの製法では不可能あるいはコスト度外視になってしまうという事例が多かったのです。しかし、データが普及しだした現代では3Dデータを用いて設計、そしてそのデータを元に複雑な金属3D造形を可能にしています。それが金属3Dプリンターで、今まで不可能とされていたようなものも製作可能になっているのです。他の加工方法では難しい、例えば三次元複雑形状品の製造が可能です。
しかも金属3D造形であれば外部だけではなく内部構造も表現が可能で、部品としてだけではなく美しい芸術品を作ることだって可能なのです。人工物というイメージが強い金属を用いた芸術品、それにはなんともいえない美しさがあります。そしてラティス構造も可能、ラティス構造とは格子状の構造を良い、これは見た目が美しく芸術品のようですが、実際は軽量化、断熱効果、生態適合性などの機能性もあるのです。こうした規則的な構造は数学的な美しさだけではなく、優れた機能が秘められていることが多いです。従来の技術では期待はされていても製造が難しく、諦められていましたがデータで作れば出力ができる金属3Dプリンターの出現で製造が可能となっています。
他にもトロポジー最適化で設計された製品の実現が可能です。データ内では幾度もシミュレーションが可能、いまはスマホゲームなどでもリアルな破壊表現や滑落表現があるように、シミュレーションを可能にしているソフトでは実際に水が流れたらこんな感じ、衝撃を与えるとこんな感じ、というのをデジタルで全て視認化が可能です。金属3Dプリンターが出現する前はいくら設計しても机上の空論だったところを、現在ではシミュレーションをしていたその設計を製造きるようになっています。AIを利用することで人が考え付かないような新しいものを造形することができるようになっています。主にこういうものは航空宇宙分野や医療現場などで利用する部品に活用されていますが、その実用性を見据えてそのほかの色々な分野でも活用が始まっているのが散見されています。
金属3D造形の適用例を紹介
金属3D造形による適用は始まっており、まだまだ発展途上の技術にも関わらず実用化が始まっているケースがあります。ここでは実際にどんなところで金属3D造形が利用されているかを紹介いたします。まず、軽量化と強度の向上をはかりたいと考える場面が多い航空宇宙分野です。試作品を作るときは勿論、他にも色々な展開を計られており盛んに活用されている傾向があります。次に医療分野、治療として人工股関節などがありますが、その造形に金属3D造形を用いられている場合があります。より人体の組織に似ている形状のものも作り出しやすいので非常に有用、適合性の高い人口関節の製作が可能とされています。インプラントを用いた治療が増えているいま、その分野にて活躍しつつあると見られています。^
自動車分野でも活用が期待されており、これまでは主に切削加工や鋳造で行われていた試作品作成もこの金属3D造形で行われようとしています。強度の問題もあるので実用化はまだ先のパーツはあるものの、試作品程度であれば問題ないパターンが多いので、その際に利用されています。その結果コスト削減に繋がり、またスムーズな取引がされています。ドイツではすでに先に進んでおり、修理部品の製作を金属3Dプリンターが行っているケースがあります。そしていま、自動車は従来のものだけではなく電気自動車が広まりつつあり、その拡大につれて適用分野はより増えると見込まれています。他にも産業機器、金型の製作などに利用されつつあり、特に金型はそれ自体の製作が非常に難しいケースがありましたが金属3D造形の導入によって可能なものが増えつつあるのです。複雑な形状もパソコンで設計図を立てていき、それを出力することができるのでできることがとても増えます。
金属3Dプリンターについて
金属3D造形をするのに必要な設備である金属3Dプリンター、一見なんでも出来そうですが勿論今後の課題も多い、そんな設備です。ここではそんな金属3Dプリンターについてのあれこれについて紹介いたします。金属3Dプリンターはものによって得意とすることが異なるので、もし導入をする場合それぞれの特徴を見て比較する必要があります。導入されているケースが非常に多いのがパウダーベッド方式ですが、小部品の量産など目的によっては他の方式が向いているケースがあります。どんな複雑なものでも製造できる可能性がある、そんな便利なものとされている金属3Dプリンターですが、全てを完璧にするにはまだ足りないケースもあります。確かにかなり精度が上がってきており、複雑な部品を作った例も数多く提示されていますが、あくまでまだ発展途上の技術であるということには変わりないので、まだ思っていることを全てできるという段階ではないです。
特にスピードが上がれば精度は落ちる、精度をあげればスピードが落ちるという製造に関する部分と、導入コストが高額である部分がネックになっているので、今後の開発に期待が寄せられています。しかし現在はまだ課題が多いというだけで、間違いなくこの技術は広く利用されるべき便利なものです。画期的な設備として、導入を検討する企業は増加傾向にあり、それだけ金属3D造形というものが社会から関心が高いものだというのが伺えます。
金属3D造形についてのまとめ
今まだ発展途上で課題が多いこの技術ですが、ものづくりにおける工程を大幅に削減し、それでいてイメージ通りのものを作り出すのにこれから不可欠になる、そんな優れた技術であるというのがわかります。パソコンを利用しての作業が多い現代では、こうした出力機を使ってデータ上のものを手に取れる形にするというのは比較的今までたやすいこととされていましたが、それはあくまで平面の話です。その出力が立体にまでおよびはじめ、いよいよ真髄が見えてきたのです。この技術はいまさまざまな企業から注目を浴びており、早くから導入して活用している、そんな企業もあります。簡単なものであれば比較的実用は用意だとされて、試作品作成、金型作成など活発に利用されているケースもあります。それだけのものが本当に作れるの?と思ってしまいますが、金属3D造形の製作物例は数多くネットで閲覧が可能です。
簡単な造形物から複雑な幾何学的図形まで対応されているのがわかります。そしてそれらはいざ立体になることで物理的に作用する性質ももちます。それは軽量化、耐熱性などの機能面に影響することなので、完全な実用が実現できると多くの業種がより発展するものと期待されています。次世代を担うであろうと見込まれている技術である金属3D造形、そしてそれを可能にする金属3Dプリンター、時期尚早と導入を見送っている企業も多いですが、どんどん開発が進められている分野なので定期的にチェックしておくのがおすすめです。